日本茶、中国茶、烏龍茶、柿の葉茶、ルイボスティー、緑茶、紅茶、ジャスミン茶、プーアール茶、ケツメイシ茶、鉄観音茶、杜仲茶…。
挙げればきりがない「お茶」、と名のつく飲み物ですが、一体どんなものなんだろう?と興味を持たれた方、ようこそ!お茶の世界へ。
このブログでは、Camellia sinensis (L.) Kuntze (茶樹) の樹から取った若い芽か葉で作った「お茶」について書いて行きます。
茶青(Chá qīng)とは、茶の原料の生葉のことです。
この摘み取り部位が、一心(芽芯1本)、一心一葉(芽芯+開きたての葉)、一心二葉(芽芯+開きたての葉二枚)位で作られているお茶を、芽茶といいます。
芽茶は、芽の含有量が多ければ多いほど高級とされ、緑茶、黄茶、白茶、紅茶、黒茶、そして一部の烏龍茶は、この芽茶類に分類されます。
茶のほとんどは、芽茶類です。地球人は、主に芽茶類を作り、飲んでいるのです。
金色のチップを多く含むほどに高級な紅茶は芽茶の代表で、あらゆる国と地域で愛飲されています。地球上で消費される茶のほとんどは紅茶で、2017年の最新統計によれば、総生産量は5,812千トンだそうで、そのうち紅茶が3,794千トンと2/3が紅茶です。
また、春に新芽を摘んでつくられる緑茶も芽茶であり、人口の多い中国で生産・消費されていますが、中国の経済が発達するに伴いここ10年で生産量も1,163千トン(2008年統計)から2,017千トン(2017年統計)と倍に増えています。中国は、新年や端午節、中秋節などに贈答品を贈る習慣があり、経済的に裕福になってくると高級茶葉も贈答品の対象となり、需要がうなぎのぼりになったという訳だそうです。人口も圧倒的なので、10年で倍、というのも十分あり得る成長ぶりですよね。
紅茶は全世界で、緑茶は人口の多い中国で生産消費されていますから、まさに地球人の殆どは芽茶を飲んでいるのです。
品種によって、芽の大きさや色・形もいろいろで、それにまた、発酵度や揉みによる仕上がりの形などにも違いがあるので、ただ単に「芽茶」とくくるにはあまりにざっくりですが、芽茶をひとくくりにすることによって、対極の「葉茶」という存在が際立ってくるのです。
芽茶にたいして葉茶は、摘み取り部位がより成長した状態になるまで待って摘まれます。芽が成長し開きながら葉となるのを繰り返し、一定の成長を遂げると、成長が止まるポイントがあります。成長が止まると、上部の茶の葉は向かい合わせに開き、真ん中の茎の又に小さな育たない芽のようなものが出てきます。この状態の茶葉を「開面葉」といい、葉茶の茶青は茶園の大部分がこの状態に育つのを待って、この開面葉+その下数枚の葉を摘みます。これが、葉茶の原料となります。
葉茶の茶青は、開面葉(對口葉とも呼ばれる)+2〜3枚や、芽を含んでいても芽の下の葉3〜4枚まで摘まれることもあるので、葉がちに摘まれます。
葉茶は芽茶と違って、芽の含有量は重要視されず、出来上がった茶葉の色艶や味香りで等級が決まります。
葉茶は殆どが部分発酵茶です。産量は世界の茶葉総生産量の2%。たったのこれだけです。
地球上で、伝統的に烏龍茶を作っているのは、台湾、福建省、広東省、この三箇所だけですので、とても希少価値のあるお茶だといえます。
品種によって、味香りはかなり違うし、葉の大きさや形、発酵度による茶葉の色と水色、揉みによる外形も違い、また焙煎の度合いによってさらに豊富なバリエーションが生まれます。
私が住んでいる台湾は、お茶の生産が盛んで、芽茶から葉茶まで黒茶以外のお茶を生産しています。フレッシュなあじわいの緑茶も、地球規模でいえば、とても貴重な烏龍茶も、甘くまろやかな紅茶もたくさん売られていて、様々な種類が比較的簡単に手に入ります。そして、美味!
これから少しずつ、皆さんにいろいろな台湾のお茶を紹介して行きます。